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2018.03.20

マインドフルネスの導入事例5選!企業が注目している理由と効果を紹介

はじめに

みなさんは最近、ビジネスにおいて注目を集めている「マインドフルネス」をご存知でしょうか?

最近では、企業でも導入されることが増えてきているマインドフルネス。今回はそのマインドフルネスに関して、ビジネスにおいてどんな効果があるのか?企業で導入する方法はどんなものがあるのか?なぜ注目を集めるようになったのか?などを紹介していきたいと思います。

マインドフルネス研修に興味はありながらも、内容や導入方法がわからなかったという企業研修ご担当の方は是非参考にしてみてくださいね!

マインドフルネスとは

まずは、マインドフルネスがそもそもどういったものなのか、を説明していきたいと思います。

マインドフルネスとは「意図的に“今”の瞬間に意識を向け、判断や解釈をしない心の状態」を指しています。

普段、仕事をしている時も目の前の業務に完全に集中している時間は少なく、雑念や無駄な思考に邪魔をされることがあるという方も多いのではないでしょうか?

資料を作りながら、「今日の晩御飯は何を食べようか?」や「そういえば、あのお客さんのあの案件ってどうなっていたっけ?」というように別のことを考えていては、業務の効率も落ちてしまいます。

マインドフルネスは上記のような雑念や無駄な思考を取り払い、今の目の前のことに向き合っている状態を指します。

この状態になることで、生産性の向上、ストレスの軽減、他者への思いやり向上などに効果的であることが科学的にも明らかにされています。

このことから、GoogleやFacebook、Goldman Sachsといったグローバル企業や、シリコンバレーのスタートアップ企業でマインドフルネスプログラムの導入が進んでいます。

ビジネスにマインドフルネスが有効な理由

ここでは、実際にビジネスにおいてマインドフルネスが有効な理由について、詳細をお伝えしたいと思います。

マインドフルネスとは心の状態を指しており、マインドフルネス瞑想を行うことでその状態を維持することができ、下記の4点の効果を得られると言われております。

・集中力向上
・生産性向上
・ストレス低減
・人間関係が良好になる

集中力向上

一般的に、人間の集中力の持続時間は非常に短く、数秒ともいわれています。加えて、人間はマルチタスクに不向きと言われており、電話やメールが入るだけで注意が逸れてしまいます。

また、上記のような外的な要因だけではなく、仕事の中では自身の不安などが集中を阻害することもあります。

そのような集中力が下がって来た際に、マインドフルネス瞑想を行うことで、集中している状態に引き戻すことが可能です。

さらに、自身の頭の中を整理することで、業務の優先順位づけなども行うことができます。

生産性向上

仕事においては、気付きとその付きを受け入れて意思決定を行えるかが、業務のスピードひいては生産性に影響を与えます。

ブリティッシュコロンビア大学とケムニッツ工科大学が2014年に発表した研究結果によると、マインドフルネスのトレーニングを行うと自己制御能力に関わる前帯状皮質が活発になることがわかりました。

つまり、気付きの能力とその気付きを受け入れる受容能力が向上することにより、スピーディーかつ最適な意思決定を下すことが可能となり、その結果、生産性が高まるとされています。

ストレス低減

2015年からストレスチェックが義務付けられ、企業による従業員の心の健康の維持に対する取り組みも始まっています。マインドフルネス瞑想を行うことにより、自律神経が整い、その結果自然と心のストレスが軽減されます。、実際、マインドフルネスは心理的な問題にも効果があるとされており、うつ病の心理療法としても取り入れられ始めています。

人間関係が良好になる

マインドフルネス瞑想を続けることにより、自身の心と体の状態を冷静に受け止めることができる様になり、怒りや焦りに振り回されなくなります。

また、マインドフルネス瞑想を続けることで共感性が高まり、相手の感情の変化にも気づくことができるようになります。
その結果、相手を思いやる発言や行動をとれるようになり、人間関係の良好に繋がります。

企業が行うマインドフルネスの取り組み

では、マインドフルネスを実践するために、企業ではどんな取り組みがされているのでしょうか。

企業が行うマインドフルネスに関する取り組みの手法、座学、実践、環境の提供の大きく3つに分けられます。

座学

そもそもマインドフルネスとはなにか?という概念的なところから、ビジネスで有用と言われる理由などを講義していきます。

実践とセットで行われることが多いです。

実践

実際にマインドフルネスを体得することを目的とし、マインドフルネス瞑想の方法などを教えます。場合によっては、オフィスから離れた場所で開催することもあります。

また、プログラムによっては、マインドフルネス瞑想が定着するまで中長期的にサポートするケースもあります。

環境の提供

日本ではこれらに取り組んでいる企業はほとんどありませんが、海外ではマインドフルネス瞑想用の施設を用意したり、社内にマインドフルネスに関するコミュニティーを持つケースもあります。

導入している企業とその取り組み事例

マインドフルネスはGoogleやApple、Intel、Facebookなどの外資系企業をはじめとして、多くの企業で研修プログラムとして取り入れられています。

日本でもYahoo!やSansan、メルカリといったIT系企業での導入事例も増えています。

それぞれの企業がどんな目的で導入し、どんな取り組みをしたのかをご紹介いたします。

Google

マインドフルネスを取り入れている企業で一番有名なものといえば、Googleではないでしょうか?

Googleでは、会社設立9年目からSearch Inside Yourself(以下、SIY)というマインドフルネス瞑想含む研修プログラムを社内のエンジニアのチャディー・メン・タン氏が開発しました。

【導入の目的】

元々、プログラムの開発に携わったチャディー・メン・タン氏は「平和・喜び・思いやり」を広めるために始めたそうですが、それでは社員には広まらないということで、社員の利益と繋がるように「ストレス低減」や「集中力向上」、「創造性向上」という目的で導入することになっていきました。

【取り組み】

・あくまで自主的に参加するプログラムとしている
・7週間の期間中に、1日数分(理想は30分から1時間)の瞑想を実践するよう推奨
・できる限り、宗教色を取り除き、わかりやすい言葉と科学的な裏付けで基礎を説明
・オフィス内に瞑想ルームを設置

【効果】

SIYのプログラムに参加した方の多くが生産性の向上を効果としてあげています。その結果労働時間を減らしたにも関わらず、昇進した方もいらっしゃいます。

また、ストレス低減により周囲との人間関係がうまく行くようになったケースもあります。

Apple

同じシリコンバレーの大手IT企業のAppleもマインドフルネスを取り入れています。
スティーブジョブズは、大事なイベントの前にはマインドフルネス瞑想を行なっていたという話もあります。

【導入の目的】

マインドフルネス瞑想が持つ創造性を高める効果に着目し、技術者には瞑想の実施を推奨しています。

【取り組み】

・瞑想やヨガの講習を社内で実施
・職務時間内の30分を瞑想に当てることを許可
・社内に瞑想ルームを完備

【効果】

マインドフルネス瞑想による生産性のアップだけではなく、創造性の向上によってAppleの個性的なサービスが生まれたのかもしれません。

Yahoo!

海外の企業だけでなく、日本の企業でもマインドフルネスを取り入れる動きは広まっています。Yahoo!では、Yahoo!アカデミアの中でマインドフルネスを活用した研修を実施しています。

【導入の目的】
次世代リーダーの創出・育成を目的とし、適切なリーダーシップを発揮するには自分のことをより客観的に知る「メタ認知」が重要と考え、マインドフルネス研修を実施。

【取り組み】
・メタ認知トレーニングの目的や意義を説明する体験説明会を実施
・希望者は週1回、計7回のプログラムに参加
・15名程度で社内の芝生のスペースで瞑想を実施

【効果】
これによって、自身を取り巻く状況や心理状態を客観的に認知する能力が高まったとのこと。また、ストレス低減や集中力アップにも繋がっているそうです。

メルカリ

フリマアプリでシェアを広げている、日本唯一のユニコーン企業と言われるメルカリでもマインドフルネスが取り入れられています。

【導入の目的】
仕事の効率をあげるために、社員からボトムアップで部活動が始まりました。

【取り組み】

・部活動として、毎日夕方の4時に活動を実施
・はじめは社内メンバーが試行錯誤しながら、プログラムを実施
・さらに社内で広げるためにプロコーチによる「cocokuri」の研修プログラムを実施
・マインドフルネスの基礎を理解するための講義のあとに、レーズン・エクササイズなどを実施
・研修で学んだ内容を日々の部活動で実践

【効果】

マインドフルネス瞑想を実施することで集中力の向上やストレスの低減に繋がっているそうです。

Sansan

名刺管理ツールで有名なSansanでもマインドフルネスを使った研修を実施しています。

【導入の目的】
社内の生産性を高めるために、社内制度の一環として導入。

【取り組み】
・全マネージャーを対象に実施
・座学でマインドフルネスの基礎(脳神経科学など)をインプットし、その後に実践
・研修のあとには、1ヶ月の個人ワークを実施)


【効果】
参加者の8割近くが効果を実感し、リーダーシップの発揮やモチベーションの向上に影響がありました。

おわりに

最近ビジネスにおいて注目され始めたマインドフルネスに関してご紹介をさせていただきましたが、いかがでしょうか?

一言でマインドフルネスと言っても、企業での取り入れ方にも多くの手法があります。自社でマインドフルネスを実施する際には、明確な目的を定めて、その目的にあった手法ややり方を決めるようにしましょう!

cocokuriでは企業様のニーズに合わせたマインドフルネス研修の提供を行なっております。

興味のある方はお気軽にお問い合わせください!

 

 

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ゆりこ政岡
yuriko
㈱インナーコーリングにて、仏教の八正道に基づいた法人向けのマインドフルネス瞑想研修・セミナープログラムを推進する傍ら、ブログの管理・記事制作なども行っています。 今後は、自身もマインドフルネスに精通すると共に、イベント取材などのレポート記事などの連載も継続予定です。
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